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社会・経済の動き@しんぶん.yomu







2024.10.8号




◆10月の食品値上げ、今年最多に
帝国データバンクの調査によると、10月に値上げが予定されている食品は2911品目に及び、品目数としては4月の2897品目を上回り、今年最多となることが明らかになった。値上げの背景には、原材料高、物流費や人件費の上昇が挙げられている。同社では「円安による値上げが一服するものの、賃上げによる人件費の上昇分を価格に転嫁する動きは続くだろう」とみており、今後も食品値上げは継続するものとみられる。

◆東京都、全国初のカスハラ条例
10月4日に開かれた東京都都議会定例会で全国初となるカスタマーハラスメント(カスハラ)の防止に向けた条例が全会一致で可決・成立した。カスハラを禁じる条例は全国初。都は国に先駆けて条例を制定したが、罰則は定められていない。条例では、「何人もあらゆる場においてカスハラを行ってはならない」と明記する一方、「顧客らの権利を不当に侵害しなければならない」とも盛り込んでいる。厚労省では企業に従業員をカスハラ守る対策を講ずることを義務付ける法整備を検討している。

◆円売り・ドル買い加速し、一時149円台
10月4日のニューヨーク外国為替市場で一時1ドル=149円01銭まで急落した。149円台となるのは8月中旬以来。背景には、米労働省が発表した雇用統計で、非農業部門の就業者数が増加に転じ、失業率も前月から改善したことや平均時給も増加に転じたことに加え、アメリカでの大幅な利下げ観測が大きく後退したことから、円売り・ドル買いが進んだ。中東情勢緊迫化で原油を海外に頼る日本にとって、円安の流れは一段と国民生活を圧迫しかねない。

◆2023年度健保組合の半数超が赤字
大企業の社員らが加入する健康保険組合の全国組織である健康保険組合連合会の発表した2023年度決算見込みによると、1380組合の52.6%が赤字に陥っていることが明らかになった。前年度、赤字組合は40.3%から増加している。決算見込みによると、高齢者医療の財政を支える拠出金は3兆6526億円、健保組合の加入者向けの保険給付費は4兆7301億円だったのに対し、保険料収入は8兆7184億円で、実質1367億円の赤字だった。

◆介護費用、過去最多の11兆5千億円
厚生労働省の発表によると、2023年度に介護保険からの給付や利用者負担を含めた介護費用は11兆5139億円に上ることが明らかになった。前年度比2.9%の増加で、調査を開始した2001年度の4兆3782億円から約3倍近くに増え、過去最多を更新した。高齢化の進展から利用者数が増加したことが要因となっている。介護サービスに掛かった費用の1人当たり平均額(2024年4月審査分)は20万1300円となっている。

◆高卒求人倍率、過去最高の3.7倍
厚生労働省は9月に発表した2025年卒業予定の高校生の求人倍率は7月末時点で過去最高の3.7倍になることが分かった。とくに、従業員規模1千人以上の大企業の求人が前年比6.4%増で最も高い。人手不足から若手人材の確保を急ぐ企業の姿勢が浮き彫りとなっている。就職支援会社のジンジブでは「人手不足で大卒の採用が難しい一方、社員の構成年齢も上がってきている。若手人材の中で、高卒社員は20歳代の活躍期間が長く、サービス業や製造業を中心に採用意欲が高まっている」と指摘している。

◆夫の育休長いほど妻の働く意欲アップ
積水ハウスが小学生以下の子どもと同居する20〜50歳代の男女を対象にした調査で、夫の育児休暇の取得日数が長いほど、妻の働く意欲が高まる傾向にあることが分かった。夫の育休後の意識変化を妻に尋ねたところ(複数回答)、「仕事への意欲が増した」と答えた女性は、夫の育休取得期間が「1か月未満」で5.4%だったのに対し、「3〜6カ月未満」は15.2%、「6カ月以上」は22.8%だった。

◆大谷投手、今年の経済効果は1168億円
関西大学の宮本名誉教授が推定した2024年に大谷投手が生み出した経済効果は1168億1181万円になるとの結果を発表した。ドジャースに入団した2024年は観客動員数の増加、グッズの売り上げ上昇、応援観戦ツアーの盛況などを織り込むとともに、個人としてのスポンサー契約による副収入なども含まれている。宮本氏は「2024年の大谷選手の経済効果は空前絶後の金額になった。この非常に大きな経済効果は1人のアスリートの活躍結果というレベルのものではない」と話している。